mixiチェック モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク: 9月 2010

ブログ内検索

2010年9月30日木曜日

9/26緊急集会レポート① 北海道新聞[動画]ニュース配信中です

9/26 緊急集会「母なるモベツ川を汚さないで」を開催しました。

集会の様子が、
現在、北海道新聞の動画ニュースで配信されています。

民族の聖地に産廃やめて 紋別の計画 札幌で緊急集会
(2010/9/29 北海道新聞[動画]ニュース/メディア局 飯島秀明さん撮影/約1分)
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/video/?c=news&v=620181490001

(同ニュース記事より)
 紋別市元紋別に地元の産業廃棄物処理業者が計画中の最終処分場について考える緊急集会「母なるモベツ川を汚さないで」が26日、札幌市中央区の市教育文化会館で開かれた。紋別市のアイヌ民族支援団体「モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク」の主催で、同ネットワーク代表の畠山敏さんが「藻別川はアイヌ民族にとって『聖なる川』。処分場は一切駄目だと言っているのではなく、排出業者が最大限、汚泥などの処理をして、孫子の代にいい環境を残すべきだ」と現地からの訴え。小野有五・北大大学院教授(地球環境科学)らが、源流部への立地で汚染が河川全体に広がる懸念、産廃処分事業終了後の責任が不明確なこと、管理型処分場で遮水シートが破れ汚水が流れ出した事例を報告。道に対し設置の許可を取り消し再検討するよう求めることを確認した。

以上

2010年9月29日水曜日

これまでの主な動き⑥ 2010年5月~8月

紋別の産廃処分場計画に関する動向、主な記事を集めました。
(2010年5月~8月分)


◆2010/6/29 「北海道知事への連名の要請文」を提出
(当ブログ 参照)

◆2010/7/15 「北海道知事への連名の要請文」を提出(PART2)
(当ブログ 参照)

◆2010/7/22 要請文への道からの回答
(当ブログ 参照)

元紋別の産廃最終処理施設、道が設置を許可~リテック社、秋頃に着工へ
(2010/7/30 北海民友新聞)

 株式会社リテック(佐藤伸也社長)が元紋別の豊丘地区に建設を計画している産業廃棄物最終処理施設について北海道は27日、設置を許可した。リテックは今後、道に開発許可を申請し、許可を受けしだい着工する考え。今年秋ごろに着工の見込みで、来年11月末の完成を目指す。本格稼動は平成24年4月の予定。
 同処分場の建設については、環境問題や先住民族の権利の観点などから一部住民や北海道アイヌ協会紋別支部が反対を表明していた。
 道から正式の許可を受けたリテックの佐藤社長は「紋別の産業のために使命感をもって進めてきた計画で、許可を受けてほっとした気持ち。法律にのっとって計画し、道や専門家の調査を経て正式な許可を受けたのだから、粛々と計画を進めたい。着工前には地域住民の皆さんにもなんらかのお知らせをしたい」と話している。
 また今後の住民との関係については「設計に基づいて工事を進めていくことになるが、住民の皆さんから質問やアドバイスがあれば誠実に対応したい」と話している。
 同処分場は埋立て式の管理型最終処分場を中核に、堆肥化処理、汚泥脱水処理、コンクリート再生処理などの中間処理施設を備える。汚泥、動植物性残さ、木くず、コンクリートくずなどを扱う。ホタテのウロなど動植物性残さは中間処理施設で再資源化され、資源化できない一部の廃棄物を埋立て処分する。
 市では平成19年2月に、市の埋立て処分場が満杯になるのを懸念して、それまで受け入れてきた産業廃棄物の受入れを中止。産廃を出す市内の業者は市外の民間処理施設に処理を委託することを余儀なくされている。産業関係者からは市内に新しい産廃施設が建設されることを待望する声が多かった。
 こうしたことから市では、同処分場の建設を歓迎しながらも、適正な維持管理がなされているかを監視・指導するためにリテックと公害防止協定を結んでいる。
 リテックと市では合同で、地域住民に対する説明会もこれまで3回開催。しかし、反対する一部住民や団体との話し合いは平行線に終わっている。

◆2010/8/2 高橋はるみ知事への面談要請
(当ブログ記事参照)

◆2010/8/4 知事への面談要請に対する道の回答
(当ブログ記事参照)

以上

2010年9月21日火曜日

これまでの主な動き⑤ 2010年4月

紋別の産廃処分場計画に関する主な記事、動向を集めました。
(2010年4月分)


◆アイヌ「聖地」に産廃処分場計画 国連に権利擁護訴えへ
(朝日新聞 2010/4/7)

 北海道紋別市で地元のアイヌ民族が伝統漁法や儀式の復活に取り組んでいるモベツ川の支流の水源地帯に産業廃棄物最終処分場建設が計画されていることが分かり、北海道アイヌ協会の支部や支援団体は国連に代表を送り、「先住民族の権利侵害にあたる」ことを訴えることを決めた。
 産廃処分場はオホーツク海に注ぐモベツ川の支流域の41ヘクタールに、地元の業者が今年度からの造成・埋め立て事業を計画している。同協会紋別支部(畠山敏支部長)では、住民団体とともに反対運動を展開。同支部は毎年、道知事からサケの採捕許可を得て同川を遡上(そじょう)してくるサケを迎える感謝の儀式を主宰、周辺を地域住民と共生していく民族の聖地として、アイヌ古式のサケ漁の漁業権復活を求めている。産廃処分場の建設などは、「先住民族の権利に関する国連宣言」でうたわれた環境などに関する諸権利を無視するものと主張している。
 この問題を重視した非政府組織(NGO)・市民外交センター代表の上村英明・恵泉女学園大教授や哲学者の花崎皋平(こうへい)氏(小樽市在住)らが支援組織を結成。19日からニューヨークで開かれる国連先住民族問題常設フォーラムに代表を送り、事例報告とともに国連の自由権規約委員会が日本政府に勧告したアイヌ民族の土地権の保障などの権利擁護を訴える。
 同支部は、紋別市公害対策審議会が畠山支部長らの産廃処分場反対意見書に回答できない旨を伝えたことについても、市などに抗議文を提出しており、これについても報告するという。
(本田雅和)


産業廃棄物最終処分場設置許可申請に係る告示・縦覧 [pdf]
(北海道オホーツク総合振興局保健環境部環境生活課 2010/4/9)

以下、
北海道オホーツク総合振興局ホームページ・報道資料より抜粋
******************************

「産業廃棄物最終処分場設置許可申請に係る告示・縦覧について」

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)の規定により、
産業廃棄物処理施設設置許可申請書縦覧の告示を行ったのでお知らせします。

            記

(1)申請年月日
平成22年3月23日
(2)申請者の住所、名称及び代表者の氏名
紋別市渚滑町9丁目18番地
株式会社リテック 代蓑取締役 佐藤伸也
(3)産業廃棄物処理施設の設置の場所
紋別市元紋別421番
(4)産業廃棄物処理施設の種類
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第7条第14号
ロ及びハ (安定型及び管理型最終処分場)
2 位第15条第2項及び第3項に規定する申請書等の縦覧の場所、時間及び期間
(1)縦覧の場所及び時間
北海道オホーツク総合振興局     午前8時45分から午後5時30分まで
保健環境部環境生活課
紋別市市民生括部環境生活課     午前8時45分から午後5時30分まで
(2)縦覧の期間
平成22年4月9日から平成22年5月10日まで(日曜日、土曜日、国民の祝日に関す
る法律(昭和23年怯律第178号)に規定する休日を除く)
(3)意見書の提出
・この産業廃棄物処理施設の設置に関し、利害関係を有する者は、北海道知事に生
活環境の保全上の見地からの意見書を提出することができる。
・意見書には、意見書を提出する者の氏名及び住所並びに産業廃棄物処理施設の設置の場所及び施設の種類を記載の上、生借環境の保全上の見地からの意見を日本語で記述すること
・意見書は、北海道知事(郵便番号093-8585網走市北7条酉3丁目 北海道オホ
ーツク総合振興局保健環境部環境生活課)に平成22年5月24日までに到着する
よう提出すること

******************************

◆お知らせ◆

9/26 緊急集会「母なるモベツ川を汚さないで」

紋別における産廃処分場建設の問題点
~アイヌ民族の権利と生態系保全~
■ と き 2010年9月26日(日)13:30 ~
■ ところ 札幌市教育文化会館 3F 301研修室

詳しくは9/19付けの当ブログ記事をご参照ください。

******************************

2010年9月20日月曜日

これまでの主な動き④ 紋別市公害対策審議会の対応

先の記事(これまでの主な動き③)にて、
「住民側の要望を受けて2月26日開催の紋別市公害対策審議会」
と記されている審議会について、市が報告している内容です。

以下、紋別市ホームページより(2010/2/26付け)
http://www.mombetsu.jp/osirase/2010-0305-0931-11.html


*****************************

「環境生活課環境保全係からのお知らせ」

平成21年度第3回公害対策審議会を開催(平成22年2月26日)しました
1 紋別市公害対策審議会とは
 
 紋別市公害対策審議会は紋別市公害防止条例第33条により設置され、公害対策に関する調査及び審議を行い、15名以内(現在12名)の委員から構成され、毎年定期的に開催されています

 市内元紋別豊岡地区にリテック(本社、渚滑町9丁目、代表佐藤伸也氏)が産業廃棄物処分場を建設する計画があり、平成20年度から公害対策審議会に、市と同社で締結される公害防止協定について諮問し、3回の審議を経て、答申を受けました。

公害防止協定書及び覚書の内容 PDFファイル (43KB)
 
 公害防止協定は企業の事業活動に伴って生じる公害を防止し、良好な環境を維持することを目的に法令を補完し、継続して企業を指導・監視するため主要な事業者と公害防止協定を締結しています。

2 今回開催した公害対策審議会について

 毎年の公害行政の定期報告書である「公害調査の概要」の説明と、昨年12月に市とリテックで締結した公害防止協定の審議について施設建設予定地の住民から意見がありましたので審議会を開催しました。

 昨年12月29日に施設建設予定地周辺の住民から施設建設反対の意向を示す署名が提出され、その後、業者の説明と反対の意向を示す住民の認識に差があることから説明会を2回開催しています。

公害防止協定締結後の経緯 PDFファイル (14KB)
3 住民の意向に対する紋別市公害対策審議会委員の意見

 平成22年2月26日(金)に公害対策審議会で公害防止協定書締結後の経緯及び施設建設予定地の住民からの意見等を説明後、各委員から次のような意見が出され、再度審議すべきとの施設建設予定地の住民の主張について、これ以上審議はしないとの結論を出しました。

施設建設予定地の住民からの審議会に対する意見要旨 PDFファイル (5KB)
各委員の意見及び公害対策審議会としての結論 PDFファイル (13KB)

**************************
以上

これまでの主な動き③ 2010年3月

紋別の産廃処分場計画に関する主な記事を集めました。
(2010年3月分)


産廃施設問題、国連で報告へ~アイヌ協会紋別支部、市民外交センターの協力で
(北海民友新聞 2010/3/17)
 (株)リテック(佐藤信也社長)が元紋別豊丘地区に建設を予定している産業廃棄物処分施設を巡り、建設に反対している住民グループの活動が活発化している。このうち北海道アイヌ協会紋別支部(畠山敏支部長)は、先月18日に提出した意見書に対する市側の対応は「先住民族の権利を一顧だにしない人権無視の行為」だとして、16日、宮川良一紋別市長と坂豊實紋別市公害対策審議会長宛てに抗議文を提出。さらに東京に本部を置くNGO市民外交センターの協力を得て、4月に米国ニューヨークで開かれる国際連盟の先住民族問題常設フォーラムでこの事例を発表する構えを見せている。施設設置は道の許認可によるため直接的な関与は無いものの、市内産業振興のため推進的な立場をとっている紋別市は、慎重な対応を求められることになりそうだ。
 この産廃施設計画に対しては、住民有志の会(鈴木善吉代表)、同支部など3団体などが反対意見を表明。最近では1月31日に市とリテック主催による住民説明会が開かれたが、結論は出ず双方の意見は平行線のまま終了。住民側の要望を受けて2月26日開催の紋別市公害対策審議会は、昨年11月に協定内容を答申し12月22日に市・リテック間で締結済みの「公害防止協定」について再審議したが、「審議会の答申に影響していない」と結論付け、各団体から提出されていた意見書等に対しても、設置許認可権等が無いことから「当審議会で答えることができない」としたことから、住民側は反発を強めている。
 特にアイヌ協会紋別支部では、藻別川について「国と道に対して鮭鱒などの資源管理権を返していただけるよう要請活動中」であり「川全体の自然を守りながら、アイヌの子も和人の子も一緒に自然につつまれて遊べるような聖域を作りたいという構想も準備中」であることから、国連自由権規約委員会が08年11月に日本政府に勧告したアイヌ民族の土地権と、07年9月に国連総会で採択された先住民族の権利に関する国連宣言第29条(環境に関する権利)の遵守を強く求めている。
 同支部では、アイヌ民族の権利に関わる要望を含め住民側の意見の全てが同審議会の審議の対象外となったことなどについて、4月19日の国連フォーラムで具体的な事例として公表する計画。畠山支部長は「人権無視の対応は国際的に恥ずべき事。紋別市には、国連宣言の持つ重大な国際常識を学び、履行されることを望む」と要望。同支部後援会代表で、住民有志の会事務局の鷲頭幹夫さんも「先住民族に関する国連宣言は日本も批准しているが、地方自治体まで伝わっておらずアイヌの無視が続けられている。外交センターも、アイヌ伝統行事を行う藻別川上流への産廃施設建設は人権と土地権に抵触するとの見解を示している。市にはしっかりと受け止め、然るべき対応を取ってもらいたい」と話している。


******************************

◆お知らせ◆

9/26 緊急集会「母なるモベツ川を汚さないで」

紋別における産廃処分場建設の問題点
~アイヌ民族の権利と生態系保全~
■ と き 2010年9月26日(日)13:30 ~
■ ところ 札幌市教育文化会館 3F 301研修室

詳しくは9/19付けの当ブログ記事をご参照ください。

******************************

これまでの主な動き② 2010年2月

紋別の産廃処分場計画に関する主な記事を集めました。
(2010年2月)

◆賛否分かれ平行線~元紋別 産廃計画で説明会【紋別】
(道新オホーツク版 2010/2/1)
 市内元紋別にリテック(佐藤伸也社長)が計画中の産業廃棄物最終処分場をめぐり住民有志が建設に反対している問題で同社と市は31日、元紋別福祉センターで住民説明会を開いた。住民からは賛否双方の意見が聞かれ議論は平行線をたどった。
 市と同社、住民の合わせて約60人が出席。市と同社が市内のごみ処理の現状や最終処分場の計画を説明した後、質疑に入った。
 住民からは①問題発生時の産廃施設の危険性が不透明②住民の意見を聞かずに市と同社が公害防止協定を結んだ-と市と同社を批判する声が出る一方、産業振興には産廃処分場が必要と建設を支持する声も相次いだ。
 同社は設置許可者の道と事前協議を進める一方、住民の理解を得る努力を続ける考えだ。
(竹中達哉)


元紋別の産廃処理施設問題、2団体が反対の意見書~公害対策審議会に対し
(北海民友新聞 2010/2/21)
 市内のリテック社(佐藤伸也社長)が元紋別の豊丘地区に建設を計画している産業廃棄物最終処分場について19日、市民有志でつくる2団体が紋別市公害対策審議会に対して、建設に反対する意見書や要望書を相次いで提出した。同審議会では26日に市役所で開催する第3回審議会で対応を検討する。
 提出したのは、元紋別地区有志らの「建設に反対する住民有志の会」(鈴木善吉代表)と、市民有志らでつくる「廃棄物を考える市民の会」(原口博人代表)。住民有志の会は昨年12月に建設反対の署名(143人分)を市や道に提出している。
 住民有志の会の意見書はリテックの産廃処分場について、遮水シートの安全性についての説明が十分でないことなどを指摘。「まだ安心感と信頼感をもつことができない」とし、公害審議会での審議を白紙に戻すよう求めている。さらに家庭から出るごみ(一般ごみ)の処理施設も含めて未利用資源を「焼かない・埋めない」原則に立ち返り、全市的なプロジェクトチームを立ち上げるべきだ、としている。住民有志の会は、元紋別第一町内会の10数人で構成され、昨年12月の反対署名では元紋地区だけで110人の賛同を得ている。事務局の鷲頭幹夫さんは今回の意見書は、その110人の「総意」だとしている。
 また市民の会の要望書は、一般ごみ、産廃も含めて、多世代間にわたる長期的視点や全市民の合意が必要とし、住民有志の会の主張と同様、「焼かない・埋めない」ことを基本にすべきだとしている。リテックの産廃施設については、自然災害や事故の対策、事業の安定継続性の確保、生態系保全の確保などについて万全であるよう求めている。原口代表は「産廃施設そのものに反対ではないが、つくるなら、こういうものにしてほしい、という要望だ」と言う。事務局の園部渉さんは「今の進め方には納得できない。この問題をきっかけに、廃棄物の処理について全市的に考えていければ」と話す。市民の会は有志10数人で構成されていて「今後、さらに仲間を増やしたい」としている。
 同会では、同様の趣旨の要望書を宮川良一紋別市長や北海道、市内の各政党の支部長にも送付している。

******************************

◆お知らせ◆

9/26 緊急集会「母なるモベツ川を汚さないで」

紋別における産廃処分場建設の問題点
~アイヌ民族の権利と生態系保全~
■ と き 2010年9月26日(日)13:30 ~
■ ところ 札幌市教育文化会館 3F 301研修室

詳しくは9/19付けの当ブログ記事をご参照ください。

******************************

これまでの主な動き① 2009年12月~2010年1月

紋別の産廃処分場計画に関する主な記事を集めました。
(2009年12月~2010年1月)

紋別市とリテック社が公害防止協定~環境保全を万全に
(北海民友新聞 2009/12/23)
 紋別市は22日、元紋別に建設が計画されている産業廃棄物最終処分場の設置者である株式会社リテック(渚滑9、佐藤伸也社長)と公害防止協定を締結した。協定は、環境保全対策、水質調査、排水基準など22の項目で構成され、最終処分場から排出される浸出水については、汚水処理が行われ、国の排水基準より厳しい条件を満たす水質で放流することを義務付けている。
 リテックは紋別市の北東開発工業のグループ会社。元紋別に計画している最終処分場は、破砕処理施設、堆肥化施設などの中間処理施設と、最終処分場から構成される。処理対象物の汚泥、動植物性残さなどは、中間処理施設で再資源化され、それにより生じる残さと資源化できない廃棄物を埋め立て処分する。
 埋め立て後、有害な水がしみ出さないように対策を講ずる「管理型」の最終処分場となっている。敷地面積は41ヘクタール。埋め立て容量は12万5500立方メートル。
 協定書は、市民の健康や環境の保全、農林水産資源への影響を未然に防止することを目的にしている。全国の同様の施設での公害防止協定を参考にしながら、先進的な例を取り入れていて、住民の施設への立ち入り調査権、被害補償の規定のほか、他市では例が少ないとされる、事業者に対する損害賠償保険への加入を義務付けている。さらに保険の対象外となる損害についても準備金を積み立てるよう求めている。


元紋別の産廃処分場計画で、地元住民らが143人の反対署名提出
(北海民友新聞 2010/1/5)
 株式会社リテック(佐藤伸也社長、渚滑9)が、元紋別の豊岡地区に建設を計画している産業廃棄物最終処分場について、建設に反対する住民有志らによる会(鈴木善吉代表)が昨年12月29日、宮川良一紋別市長に対して、建設に反対する143人分(元紋別地区110人、新生・南丘地区33人)の署名を提出した。
 反対署名の趣意書では、市が「住民への十分な説明も意見聴取もないままに」リテックと産廃処分場を建設するための公害防止協定を結んだことに「強く抗議します」とし、「ダイオキシン類を詰めたドラム缶を土中に永久埋設する」ことの危険性を指摘。「公害防止協定を認めることはできません」などとしている。そのうえで「孫子の代にかけがえのない元紋別の自然環境を手渡す責任を自覚する私たちは、市長に対して改めて強く、当該施設建設計画への反対表明を要求します」としている。
 署名を受け取った宮川市長は「市としては住民と対峙するのではなく、きちんと管理し、安定的に処理し、公害を防ぐための施設とするよう協定を結んだことを理解してほしい。改善しなければならない部分はいくらでもやる」と対応し、理解を求めた。
 しかし住民有志側は「国の基準をパスすればいいという問題ではない」などとして市に再考を求めた。
 市とリテックは12月22日に公害防止協定を締結している。環境保全対策、水質調査、排水基準など22項目で協定し、法律や法令で定められた事項を守ることをうたっている。
 住民有志らの会は、道知事に対して、同産廃最終処分場の計画を許可しないよう求める署名を網走支庁を通じて提出する予定。

元紋の産廃処分場計画、リテック社が建設反対の住民に説明会
(北海民友新聞 2010/1/20)
 株式会社リテック(佐藤伸也社長、渚滑9)が元紋別・豊岡地区に建設を計画している産業廃棄物最終処分場について18日、同社は建設に反対する住民有志らによる会(鈴木善吉代表)などへの説明会を紋別市役所で開催した。安全性に問題があると主張する住民側と、安全性に十分配慮するというリテック側の説明は平行線をたどり、今後も協議を継続することになった。リテックと公害防止協定を結んでいる紋別市からは宮川良一市長らが出席した。
 住民有志の会では同最終処分場の建設計画に反対する地域住民らの署名を昨年12月、市に提出。ダイオキシン類を詰めたドラム缶を土中に埋設することや、遮水ゴムシートは「メーカーの保証期間がわずか15年しかない」ことの危険性を訴えていた。
 18日の説明会でリテック側は、国の基準値を超えたダイオキシンを含んでいる燃え殻・灰は扱わないし、ドラム缶で埋立て処分することはない、と説明。また遮水シートについても、メーカー側からは「外圧及び想定外の地震等がない限り理論上、永久的に機能する」との回答を得ていて、現時点で最高水準にあることを説明した。人為的なミスに対しても、安全確認を行っていくことを強調した。また同処分場で扱う廃アスベストは、溶出や飛散のないものに限ることを示した。
 しかし住民側は「基準値以下のダイオキシンはあるはずで危険だ。遮水シートにしても、想定外のことがあったらどうするのか。そもそも遮水シートに限界があることは専門家も指摘している」と主張。さらに「一民間企業が、将来にわたって安全です、などと言えるはずがない」と不信感を表した。
 リテック側は「現段階では最高の技術とモノを使っているし、法律や指導を守ってやっていることを分かっていただきたい」として理解を求めた。
 宮川市長は、平成19年に市の埋立て処分場が、産業廃棄物の受入れを中止したことから、市外の産廃処理施設で処理されていて、他の地域に負担を強いている現状を説明。「リテックが計画している最終処分場は、産業界にとっても輸送コストの削減や、今後の施設拡充を検討している事業者にとっても安心して廃棄物処理を委託できる施設として、期待している」として、基本的には新しい産廃処分場を歓迎する意向を示した上で「豊かな自然を次世代に引き継ぐことは我々の責務であり、同処分場が適正に維持管理されるよう、道と連携して監視・指導していく」として住民側に理解を求めた。

******************************

◆お知らせ◆

9/26 緊急集会「母なるモベツ川を汚さないで」

紋別における産廃処分場建設の問題点
~アイヌ民族の権利と生態系保全~
■ と き 2010年9月26日(日)13:30 ~
■ ところ 札幌市教育文化会館 3F 301研修室

詳しくは9/19付けの当ブログ記事をご参照ください。

******************************

産廃処分場建設計画地について① 8/21現地説明会レポート

「アースデイ紋別2010」との同時開催で
8月21日夕方に開催された
「紋別 産廃処分場の現地説明会」の様子が、
下記ブログにて、写真入りでレポートされています。

現地の様子がわかる内容です。
ご参照ください。

「アイヌ民族情報センター活動誌」
 http://pub.ne.jp/ORORON/?entry_id=3135222

(追記 ; 同ブログ 9/10・9/15に紋別産廃の関連記事あり)

※アースデイ紋別2010について
 8/23 北海道新聞(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/247612.html)

2010年9月19日日曜日

9/26緊急集会  「母なるモベツ川を汚さないで」

緊急集会
 「母なるモベツ川を汚さないで」

紋別における産廃処分場建設の問題点
~アイヌ民族の権利と生態系保全~

 北海道紋別市のモベツ川支流域に産業廃棄物最終処分場がつくら
れようとしています。これに対し、地元のアイヌ民族は、国連宣言
を根拠に「母なるモベツ川を汚さないで」と反対をしています。
 地元紋別の計画地周辺の状況や先住民族の権利との関わり、地域
の生態系に与える負荷など、今回の産廃処分場建設の問題点につい
て、多くの方々と共有したいと考え、緊急集会を開くこととしました。
お誘い合わせの上、ふるってご参加ください。

■ と き 9月26日(日)13:30 ~
■ ところ 札幌市教育文化会館 3F 301研修室
     札幌市中央区北1条西 13 丁目/地下鉄東西線「西 11 丁目」駅 1 番出口から徒歩 5 分
■ 参加費(資料代) 500 円

<報告(予定)>
・紋別現地から
 畠山敏さん(北海道アイヌ協会紋別支部長) 鷲頭幹夫さん(半農半筆)
・研究者・専門家の立場から
 小野有五さん(北海道大学大学院地球環境科学研究院教授)
 藤原寿和さん(廃棄物処分場問題全国ネットワーク共同代表)     
 郷内満さん(シャクシャイン顕彰会・最高顧問)
・道内各地の事例から~夕張、函館など

主催:モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク http://mopetsanctuary.blogspot.com/

<問合せ先>さっぽろ自由学校「遊」小泉雅弘 TEL.090-6266-0515 koizumi@sapporoyu.org 

*モペッ・サンクチュアリ・ネットワークとは…
 北海道紋別市のモ・ペッ コタンに生まれ育ったアイヌ民族漁師、畠山敏さんのアイヌ民族復権運動に共感、連帯し、「先住民族の権利に関する国連宣言」にうたわれた権利の実現に向けて行動する個人・団体のネットワークです。

2010年9月14日火曜日

国連人権理事会への市民外交センターの文書声明(翻訳)

国連総会A/HRC/15/NGO/24

人権理事会

15会期

特別協議資格をもつNGOである市民外交センターの文書声明


アイヌ民族の土地における産業廃棄物処分場の建設計画によって、

先住民族の権利が日本で否定されている

 

1.2007年9月、日本政府は国際連合総会において、先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)に賛成票を投じた。2008年6月、日本の国会は、政府にアイヌ民族を日本の先住民族として認めることを求める決議を全会一致で採択し、内閣官房長官は即座にそれに賛同する公式声明で応じた。2009年12月、政府は内閣官房室にアイヌ政策推進会議を設けた。そのメンバー15人のうち5名がアイヌ民族である。私たちはこうした最近の進展を歓迎している。


2.だが、国内レベルでの見かけ上の風向きの変化にもかかわらず、先住アイヌ民族の権利は、地方レベルでははっきりと否定されている。そのよい例が、道東のオホーツク地域におけるモベツ川水源域における産業廃棄物処分場建設計画の状況である。


3.日本の北海道、紋別市にあるモベツ川は、紋別に暮らすアイヌ民族にとって聖なる存在である。コミュニティの人々は、数百年もの間、川の周辺の自然環境に依存して生計を立ててきた。今日、紋別のアイヌ民族は、「カムイチェップ・ノミ」という川に戻ってきたサケ(彼らにとって神聖かつ主要な食べもの)を歓迎する儀式を毎年実践している。儀式の遂行に配慮して、2002年から北海道政府は儀式の目的に限って、モベツ川におけるサケの特別採捕をアイヌ民族に許可している。このように、モベツ川流域においては、熊やサケ・マス、ワシなどを含む動物、魚、鳥などの豊な生態系を見出すことができる。その森は、下流の湖や海岸に生息する生物に豊富な栄養分を与える。この地域は動植物の宝庫である。


4.「私たちの母なるモベツ川を汚さないで!」この地域に暮らすアイヌ民族は、他のNGOと共同で、産業廃棄物処分場の建設計画に反対を表明した。彼らは、2009年以来、北海道政府に対し、先住民族の権利に関する国連宣言(UNDRIP)のもとで与えられた自分たちの土地に対する権利、環境を保全・保護する権利、文化的権利を主張し続けている。


5.2010年2月、紋別市は地域のアイヌ民族との誠実な協議も行わず、国連宣言に明記された原則や権利を尊重するよう求めたアイヌ民族の要求を完全に無視し、建設計画を承認した。そしてさらに、北海道政府は2010年7月末に専門委員会によって出された報告に沿った計画への最終許可を与えた。委員会にはアイヌの代表は一人も含まれておらず、その報告は国連権利宣言(UNDRIP)には何ひとつ言及していない。北海道政府の見解によれば、国連権利宣言(UNDRIP)は、国内法や日本の行政システムになんら効力はなく、計画に与えた許可は、制度上、既存の手続にしたがって正当化されるということである。このことは、地方政府がアイヌ民族の権利を守ったり、促進したりする上で何ら責任ある役割を果たさなかったということを意味する。


6.2010年4月、人種差別撤廃委員会は、日本政府によって提出された定期報告を審議した後、最終所見(CERD/C/JPN/CO/3-6)を採択した。委員会は、日本における国連権利宣言(UNDRIP)の実行が十分になされていないことに対する懸念を表明し、政府にアイヌ政策推進会議の中に国連権利宣言(UNDRIP)の実行に関する作業部会を設けるよう勧告している。


7.市民外交センターは、アイヌ民族を先住民族として認めた日本の国および地方政府が、国連権利宣言(UNDRIP)やとりわけアイヌ民族の特別な権利を全く無視していることを憂慮している。日本政府は、今年10月には名古屋で開催される生物多様性条約第10回締結国会議(CBD COP10)を主催する。紋別のアイヌ民族や他の支援NGOによって北海道政府に提出されたモペッ・サンクチュアリ構想という代替案は、CBD COP10において提案される「先住民および地域共同体の保全地域(ICCAs)」のひとつのモデルであり、よい実践例である。COP10に関して、日本政府は2010年5月に生物多様性に関する新たな国家戦略について解説するパンフレットを発行した。しかし、パンフレットでは、その大部分がアイヌ民族の伝統的な土地である北海道の豊かな自然環境について紹介されていながら、先住民族の権利、とりわけアイヌ民族の権利については言及されていない。


8.私たちは、先住民族の権利の尊重は文化の多様性および生物の多様性の保全や促進と密接な関係をもっていることを強調したい。言い換えれば、国連権利宣言(UNDRIP)は人類の未来に対する新たな社会的パラダイムをすべての人々に与えている。私たちはまた、先住民族の権利が国内および国際的なコミュニティのレベルのみならず、紋別のアイヌ民族が主張している事例に示されるような地方レベルにおいても実現されなければならないことを強調したい。

国連人権理事会への市民外交センターの文書声明(英文)

United Nations A/HRC/15/NGO/24
General Assembly Distr.: General
1 September 2010

Human Rights Council
Fifteenth session
Agenda item 3
Promotion and protection of all human rights, civil,
political, economic, social and cultural rights,
including the right to development

Written statement* submitted by the Shimin Gaikou Centre
(Citizens’ Diplomatic Centre for the Rights of Indigenous
Peoples), a non-governmental organization in special
consultative status

==================================================

The rights of indigenous peoples denied in Japan due to the
planned construction of an industrial waste dumping and
processing site on Ainu Land


1. In September 2007, the Japanese government voted for the adoption of the United Nations Declaration on the Rights of Indigenous Peoples (UNDRIP) in the General Assembly. In June 2008, the Japanese Diet unanimously passed the resolution, urging the government to recognize the Ainu people as an indigenous people in Japan, to which the Chief Cabinet Secretary immediately responded favorably in his official statement. In December 2009, the government followed this move by establishing the Council on Ainu Policy within the Cabinet Secretariat, of which five of the fifteen members are Ainu. We welcome these recent developments.

2. Yet, in spite of this apparent change of wind at the national level, the rights of the indigenous Ainu people are still denied significantly at the local level. A good example of this point is the situation involving the planned construction of the industrial waste dumping and processing site on the upper reaches of the Mobetsu River in Okhotsk area of eastern Hokkaido.

3. The Mobetsu River is sacred to the Mombetsu Ainu community that is located in Mombetsu City, Hokkaido, Japan. The community members have gained their livelihood dependent upon the river's surrounding environment for countless centuries. Today the Mombetsu Ainu practice welcome ceremony celebrating the return of salmon – their sacred, staple food – which spawn every year (Kamuy Chep-nomi Ceremony). In regard to the conduct of the ceremony, since 2002, the Hokkaido Prefectural Government has granted the Ainu community a special permit for salmon fishing in the Mobetsu river only for the purpose of ceremony. As this shows, in the Mobetsu basin we may find a rich ecosystem of animals, fish and birds, including bear, trout, and eagles. The forest there provides a variety of nutritious food to the living creatures in the downstream lakes and seacoast. The area is rich in flora and fauna.

4. "Do not pollute our sacred mother river." The Ainu people of the community have expressed their opposition to the planned construction of the industrial waste site in cooperation with other NGOs. They have been claiming their land rights, the right to the conservation and protection of the environment, and their cultural rights as provided under the UNDRIP against the Hokkaido Prefectural Government since 2009.

5. In February, 2010, the Mombetsu City Government approved the construction plan without any good faith consultation with the local Ainu, totally ignoring the Ainu community's demand for respecting their rights as well as the stipulated principles of the UNDRIP. Furthermore, the Hokkaido Prefectural Government unilaterally gave the final approval to the plan as proposed in the report released by an evaluating commission at the end of July, 2010. The commission had no Ainu representation, nor did its report even refer to the UNDRIP. In the opinion of the Hokkaido Prefectural Government, the UNDRIP has no validity in the Japanese legal or administrative system at all and their authorization for the plan is institutionally justified in the existing procedures. What this means is that the local governments played no responsible role to protect and promote the rights of the Ainu people.

6. In April 2010, the Committee on the Elimination of Racial Discrimination adopted its concluding observations (CERD/C/JPN/CO/3-6) after examining the periodic report made by the Japanese government. The Committee expressed its concern with the limited progress in the implementation of the UNDRIP in Japan and recommended to the government establish a working group on the implementation of the UNDRIP within the Council on Ainu Policy.

7. The Shimin Gaikou Centre is concerned with the complete disregard of the UNDRIP and inter alia the specific rights of the Ainu by the Japanese national and local governments after the recognition of the Ainu as an indigenous people. The Japanese government will host the tenth meeting of the Conference of the Parties to the Convention on Biological Diversity (CBD COP10) in Nagoya in October this year. The Mo-pet Sanctuary Programme, an alternative plan presented by the Mombetsu Ainu community and other supporting NGOs to the Hokkaido Prefectural Government, will be a model or a good practice of the proposed Indigenous and Local Community Conserved Areas (ICCAs) for the CBD COP10. In relation to the COP10, the Japanese government issued a pamphlet which explains the new National Strategy for Biological Diversity in May 2010. However, the pamphlet does not introduce or mention the rights of indigenous peoples, particularly those of the Ainu, while it refers the rich natural environment of Hokkaido, a main part of the Ainu traditional land.

8. We wish to stress that the respect of the rights of indigenous peoples has a close relationship with the protection and promotion of cultural and biological diversities. In other words, the UNDRIP provides all of us with a new social paradigm for the future of human beings. We also wish to stress the rights of indigenous peoples must be fulfilled not only in national and international communities’ level but also in local level as the Mombetsu Ainu’s claim case illustrates.

2010年9月9日木曜日

知事への面談要請に対する道の回答

 拝啓 盛夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

 さて、8月2日に高橋知事への面談依頼がございましたが、先住民族を支援する団体の皆様からの「北海道知事への連名の要請文」につきましては、次の理由により「国連宣言に基づき建設への許可をしないという対応は困難」とご回答いたしたものです。

 今回ご依頼のありました面談につきましては、担当課長の私が対応させていただくことになります。私としては、お会いしてお話しすることについてはやぶさかではございませんが、知事へは要望書をわたすとともに、対応についても伝えており、道としては、お会いいたしましても、要請文へ回答した文書や今回お示しした理由について繰り返しご説明をさせていただくこととなりますことから、この文書をもって、面談依頼文へのご回答とさせていただきます。

 また、設置反対要請のございました最終処分場につきましては、廃棄物処理法上、同法で規定される許可の条件を満たした場合、知事は許可しなければならないことから、許可したものです。                                                                               敬具

  平成22年8月4日

 モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク 代表 畠山 敏 様

北海道環境生活部環境局

               循環型社会推進課廃棄物対策担当課長 松永 芳明

011-231-4111 内線24-302

 要請がありました先住民族の権利に関する国連宣言を踏まえた施設建設計画に関する先住民族の合意に関しましては、廃棄物処理法に規定されている事項ではないため、許可の判断には影響いたしません。

 また、国連宣言の仮訳では、第29条で、先住民族の同意について示しておりますが、そのための必要な措置として、第38条及び第46条第2項で、国内法の整備を行うことが必要としておりますが、現在、日本においては、国連宣言を踏まえた国内法の整備がなされておらず、廃棄物処理法においても同様であります。

 さらに、第46条第2項にも記述されているように、先住民族に限らず、ある者の権利行使に当っては、他の全ての者の権利及び自由が尊重されるものであり、特定の者の権利のみが優先されるものではありません。

 これらのことから、紋別市における「産業廃棄物最終処分場」に対する先住民族を支援する団体の皆様からの要請には、道として、現行の廃棄物処理法の規定に従った手続きしか取り得ない

と判断されます。

第29条 国は、有害物質の貯蔵又は処分が、先住民族の自由な、事前の、かつ、情報に基づく同意なしに、当該先住民族の土地又は領域において行われないことを確保するため、効果的な措置をとる。

第38条 国は、この宣言の目的を達成するため、先住民族と協議し、及び協力して、立法措置その他の適当な措置をとる。

第46条2項 この宣言に掲げる権利の行使に当たり、すべての者の人権及び基本的自由は、尊重される。この宣言に掲げる権利の行使については、法によって定められ、かつ、人権に関する国際的な義務に従って課された制限にのみ従う。このような制限は、差別的でないものとし、他の者の権利及び自由を十分認め、及び尊重することを確保する目的並びに民主的社会の公正かつ最も必要な要請に対応するという目的のためにのみ真に必要なものでなければならない。

     【「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」参考資料より(内閣官房)】

高橋はるみ知事への面談要請

2010年8月2日

北海道知事 高橋はるみ 様

モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク

代表 畠山 敏

高橋はるみ知事との面談について(依頼)

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、私たちはさる6月29日および7月15日に、国内外の先住民族関連団体との連名で「緊急:北海道知事への連名の要請文」を提出いたしました。現在、北海道紋別市のモベツ川支流域に産業廃棄物の最終処分場の建設が予定されていますが、モベツ川流域はアイヌ民族にとって歴史的にも文化的にも重要な地域であり、地元のアイヌ民族はこの施設の建設に反対をしているため、建設の許可をしないように知事に求めたものです。

この要請に対し、7月22日付で環境生活部環境局循環型社会推進課廃棄物対策担当の松永課長より回答をいただきました。しかしながら、知事宛に要請文を送ったにも関わらず、この回答は知事からのものではなく、文面からは知事に要請文を手渡していただけたのかすらも判断できません。そして、この回答からは一般的な産業廃棄物の処分場建設にあたっての法的手続きについてしか書かれておらず、私たちの要請に応えているものとは言えません。

さらにまた、7月29日の段階で、道知事の建設許可が出されたという情報に接しました。私たちからの要請を全く無視した許可と言わざるを得ません。改めて、強く抗議すると共に、国連宣言の主旨を尊重して再考していただけますように強く要望いたします。

今回の要請は、産廃処分場計画に対する一般的な建設基準について問うているのではなく、2007年9月に国連総会にて採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」に基づいた先住民族の権利の侵害について北海道の判断を問うているのです。

高橋知事は、2008年6月の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める」国会決議を受けて設置されたアイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会、およびその報告を受けて2009年12月に設置されたアイヌ政策推進会議のメンバーとして、政府に対してアイヌ民族の権利を尊重する政策づくりを働きかけておられる立場であり、実際に、今年度の道政執行方針においても「国に対し、政策の総合的な推進が図られるよう積極的な提案を行い、民族としての誇りが尊重される社会の実現をめざします。」と明言しておられます。

今回の産廃処分場の建設問題に対しては、既に国連の先住民族問題常設フォーラムにおいて「民族の権利を侵害している」との声明が出されており、国際的にもその動向が注目を集めています。北海道が、未来に向けて「アイヌ民族との共生」という課題をどう捉え、アイヌ民族と共に持続可能な社会づくりをどのように実現していこうとしているのかが問われています。

つきましては、知事(ないしその代理となりうる立場の方)と直接面談をし、お話しさせていただきたいと思います。

 今回の要望書を連名で提出した56団体(2010年8月2日現在)を代表して、私たちとの面談の場をもっていただくよう心からお願い申し上げます。

面接希望日:8月6日(金) 午後3時以降

面接希望者:モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク

畠山敏、結城幸司、鷲頭幹夫、上村英明、小泉雅弘 ほか(予定)

高橋知事からの心あるご返答をお待ちいたします。

敬具

<連絡先>

モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク

小泉 雅弘 TEL.090-6266-0515 koizumi@sapporoyu.org