2010年8月2日
北海道知事 高橋はるみ 様
モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク
代表 畠山 敏
高橋はるみ知事との面談について(依頼)
拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、私たちはさる6月29日および7月15日に、国内外の先住民族関連団体との連名で「緊急:北海道知事への連名の要請文」を提出いたしました。現在、北海道紋別市のモベツ川支流域に産業廃棄物の最終処分場の建設が予定されていますが、モベツ川流域はアイヌ民族にとって歴史的にも文化的にも重要な地域であり、地元のアイヌ民族はこの施設の建設に反対をしているため、建設の許可をしないように知事に求めたものです。
この要請に対し、7月22日付で環境生活部環境局循環型社会推進課廃棄物対策担当の松永課長より回答をいただきました。しかしながら、知事宛に要請文を送ったにも関わらず、この回答は知事からのものではなく、文面からは知事に要請文を手渡していただけたのかすらも判断できません。そして、この回答からは一般的な産業廃棄物の処分場建設にあたっての法的手続きについてしか書かれておらず、私たちの要請に応えているものとは言えません。
さらにまた、7月29日の段階で、道知事の建設許可が出されたという情報に接しました。私たちからの要請を全く無視した許可と言わざるを得ません。改めて、強く抗議すると共に、国連宣言の主旨を尊重して再考していただけますように強く要望いたします。
今回の要請は、産廃処分場計画に対する一般的な建設基準について問うているのではなく、2007年9月に国連総会にて採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」に基づいた先住民族の権利の侵害について北海道の判断を問うているのです。
高橋知事は、2008年6月の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める」国会決議を受けて設置されたアイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会、およびその報告を受けて2009年12月に設置されたアイヌ政策推進会議のメンバーとして、政府に対してアイヌ民族の権利を尊重する政策づくりを働きかけておられる立場であり、実際に、今年度の道政執行方針においても「国に対し、政策の総合的な推進が図られるよう積極的な提案を行い、民族としての誇りが尊重される社会の実現をめざします。」と明言しておられます。
今回の産廃処分場の建設問題に対しては、既に国連の先住民族問題常設フォーラムにおいて「民族の権利を侵害している」との声明が出されており、国際的にもその動向が注目を集めています。北海道が、未来に向けて「アイヌ民族との共生」という課題をどう捉え、アイヌ民族と共に持続可能な社会づくりをどのように実現していこうとしているのかが問われています。
つきましては、知事(ないしその代理となりうる立場の方)と直接面談をし、お話しさせていただきたいと思います。
今回の要望書を連名で提出した56団体(2010年8月2日現在)を代表して、私たちとの面談の場をもっていただくよう心からお願い申し上げます。
面接希望日:8月6日(金) 午後3時以降
面接希望者:モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク
畠山敏、結城幸司、鷲頭幹夫、上村英明、小泉雅弘 ほか(予定)
高橋知事からの心あるご返答をお待ちいたします。
敬具
<連絡先>
モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク
小泉 雅弘 TEL.090-6266-0515 koizumi@sapporoyu.org
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