拝啓 盛夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、8月2日に高橋知事への面談依頼がございましたが、先住民族を支援する団体の皆様からの「北海道知事への連名の要請文」につきましては、次の理由により「国連宣言に基づき建設への許可をしないという対応は困難」とご回答いたしたものです。
今回ご依頼のありました面談につきましては、担当課長の私が対応させていただくことになります。私としては、お会いしてお話しすることについてはやぶさかではございませんが、知事へは要望書をわたすとともに、対応についても伝えており、道としては、お会いいたしましても、要請文へ回答した文書や今回お示しした理由について繰り返しご説明をさせていただくこととなりますことから、この文書をもって、面談依頼文へのご回答とさせていただきます。
また、設置反対要請のございました最終処分場につきましては、廃棄物処理法上、同法で規定される許可の条件を満たした場合、知事は許可しなければならないことから、許可したものです。 敬具
平成22年8月4日
モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク 代表 畠山 敏 様
北海道環境生活部環境局
循環型社会推進課廃棄物対策担当課長 松永 芳明
(011-231-4111 内線24-302)
記
要請がありました先住民族の権利に関する国連宣言を踏まえた施設建設計画に関する先住民族の合意に関しましては、廃棄物処理法に規定されている事項ではないため、許可の判断には影響いたしません。
また、国連宣言の仮訳では、第29条で、先住民族の同意について示しておりますが、そのための必要な措置として、第38条及び第46条第2項で、国内法の整備を行うことが必要としておりますが、現在、日本においては、国連宣言を踏まえた国内法の整備がなされておらず、廃棄物処理法においても同様であります。
さらに、第46条第2項にも記述されているように、先住民族に限らず、ある者の権利行使に当っては、他の全ての者の権利及び自由が尊重されるものであり、特定の者の権利のみが優先されるものではありません。
これらのことから、紋別市における「産業廃棄物最終処分場」に対する先住民族を支援する団体の皆様からの要請には、道として、現行の廃棄物処理法の規定に従った手続きしか取り得ない
と判断されます。
第29条 国は、有害物質の貯蔵又は処分が、先住民族の自由な、事前の、かつ、情報に基づく同意なしに、当該先住民族の土地又は領域において行われないことを確保するため、効果的な措置をとる。 第38条 国は、この宣言の目的を達成するため、先住民族と協議し、及び協力して、立法措置その他の適当な措置をとる。 第46条2項 この宣言に掲げる権利の行使に当たり、すべての者の人権及び基本的自由は、尊重される。この宣言に掲げる権利の行使については、法によって定められ、かつ、人権に関する国際的な義務に従って課された制限にのみ従う。このような制限は、差別的でないものとし、他の者の権利及び自由を十分認め、及び尊重することを確保する目的並びに民主的社会の公正かつ最も必要な要請に対応するという目的のためにのみ真に必要なものでなければならない。 【「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」参考資料より(内閣官房)】 |
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